恋愛白書
「あ、ここ」


タケが連れてきたのは海だった。、


「よくここで遊んだよな」


タケが笑顔になる。


「…そうだね」


あたしは笑顔を返すことができなかった。


「お前、なにがあったの?」


海岸の岩の上に座る。


「え?」

「あいつ…丈ってやつとなんかあったんだろ?」

「え…」


タケの気持ちに心がしゅわっと弾けた。

タケはいつも誰よりも
あたしをわかってくれていた。

そんなところはほんと変わらないんだ。


「タケは変わんないね」

「えー?」

「やっぱりあたしのことわかってくれる」

「…んなの当たり前だろ」


タケの頬がほんのり赤くなる。

…ありがとう。
タケ。

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