チューリップ


それから、私はリュウに首を振りながら泣き続けた。





リュウも途中で私が泣いている意味をわかってくれたみたいで、そっと私の頭をなでた。



リュウの優しさが伝わってきたのと同時に少し恥ずかしくなって涙がおさまった。







「もう大丈夫。


ありがと!」




リュウに笑いかけると、リュウも少し笑ってくれて今度は2人並んで歩いた。









「着いたよ!私このマンションに住んでるんだ!」



15分くらい並んで歩いて、私の家へと到着した。




会話は無くても、リュウと2人で歩いているのが楽しくて、着いてしまったことが少し寂しくさえ思えた。






「こんなとこに住んでんのかよ。女が1人暮らしするには危なくねぇか?」



私が住んでいるのは6階立ての築50年くらいのマンション。


確かに、見た目はきれいとは言えないし、この辺には陽介君が住んでいるようなきれいなマンションがたくさんあるからリュウがそう言う理由もわかる。





でも、小さいときからあまり裕福ではない家庭で育ったから私には十分。




もちろん初めは怖くて寝れない日ばかりだったけど…。
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