溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「……告白してきたくせに、何なの?この男」
「え?」
「白埜さんの心が読めてしまうので、つい」
「私への労いでお誘いくださったなら、軽々しいご冗談はやめてください」
いたずらに微笑む彼は、人の目なんて全く気にしない。
年に数回とはいえメディアに出ていたり、このところは顔と名前が一気に知れ渡っているのにもかかわらず、堂々と街中を歩く。
「桃園社長には了承して頂ける理由がないと連れ出せませんから、そう言いましたよ。でも、白埜さんが結婚を決めてしまったら、祝うために誘い出すだけでも気が引ける。相手が取引先だから尚更ね」
「だからって」
「本音は、2人きりで過ごしたかっただけ。理屈や言い訳ならいくつでも並べられるけど、まだ聞きたい?」
「雨賀さんがいらっしゃるんですから、世間の目をもう少し気にされたほうがいいと思いますよ」
「したいことはするし、欲しいものは手に入れる。やると決めたら突き進む。俺がそういう人間だってことは、社員なら分かってくれてるはずだけど」
それとこれは別だと言いたいけれど、グッと堪えた。きっと堂々巡りになるだけだから。
「……では、お言葉に甘えさせていただきます」