溺甘プレジデント～一途な社長の強引プロポーズ～

「桃園さん、お話したいことがあります」

「何かな？千夏さんがそんな切り出し方するなんて身構えちゃうね」

「桃園さんといると、色々なことを知れてとても面白いなって思ってます。だけど、住む世界が違うから、私がこのまま隣にいていいのかなって考えてしまう時があって」

「……千夏さんは悩んでいたんですね。気づかずにいて申し訳ない」

「そんな、謝っていただくようなことではありませんから……」


　ブルーメゾンにいなかったら、桃園さんと知り合うこともなかったはずだ。
　これも運命だって思うけれど、似合わない運命に足並みを合わせていくには覚悟が要ると思う。豊富な経験や知識を持って、彼は私を引き上げてくれるけれど、隣が似合うかどうかは自分ではわからないままだ。