溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

「周りと比べたら、私のいる場所は華があるでしょうね。それに、人並み以上に派手さのある生活を送っている自覚はあります。生まれてから今日まで、おかげさまで生活に困ったことはありませんし、何も不自由はないだろうって思われているのも分かっているつもり。

 だけど、自分なりに精いっぱいの愛情を注いでも、おつき合いしているのに私の隣が似合わないって、身を引いてしまう人が多いんです。千夏さんだけじゃなくて、今までの人は大抵そうでした」


 悲しそうな声色に、言ってはならないことだったのではないかと気まずくなった。
 境遇や考えを無視していたのは私のほうで、桃園さんは私のことも自分のこともちゃんと見ていてくれたのかもしれない。



「恋愛が上手くいっていたら……例えば、葛城社長みたいに恋愛上手な人だったら、この歳になる前に家庭を持っていただろうね」

「桃園さんは、結婚したいですか?」

「もちろん。その相手は千夏さんがいいって思っているから、こうして過ごしたり、尽くさせてもらったりしてるんだけど。今夜が自己満足に終わらないことを願うよ」



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