溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


 7月に入ると、すっかり空が高くなった。
 夏と冬、どちらが好きかと聞かれたら、迷うことなく夏が好きだと言える。自分の誕生日がある季節を嫌うほうが難しいから。


 桃園さんは予定通りドバイへ2週間出かけている。連絡は取れるものの物理的な距離を感じさせられると、やっぱり彼のことが好きなんだと思い知らされた。

 他人から見れば、彼のどこがいいのかわからないかもしれない。質素とは程遠い生活をしているし、鼻につくと嫌がられることもあると思う。
 だけど、私にとっては新鮮な出来事の連続で、時々息切れしてしまうくらい早く過ぎ去ってしまうことがあっても、桃園さんがしっかりと守っていてくれるから……彼の愛情が重たいとかきゅうくつと思えるのは、それだけ彼が真剣に想っている証拠。

 こうして会えない時があっても、また次に会うその日は、笑顔で過ごせたらいいなって思う。

 彼の財産目当てなんかじゃない。桃園彰真というひとりの男性に、私も愛情を返していけたら、きっと幸せになれる気がする。


< 129 / 251 >

この作品をシェア

pagetop