溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「葛城社長ってどこに住んでるか言わないでしょ?都内一等地に一軒家を建てたって噂聞いたんだけど」
「私は、愛車でたまに女の子乗せてドライブしてるのを見た社員がいるって聞いた」
葛城社長の話をしているだけで、満ち足りた気持ちになれる。
だけど、私の気持ちを伝えたところで、上手くいかないのは目に見えていることだ。
食事に誘うことすら断れたのだから、ましてや1歩進んだ恋人同士になりたいと言えば、全力でお断りされるだろうな。
どうしたらいいんだろう。
きっと恋をはじめてしまっているのに、戻り方がわからない。日を追うごとに社長のことが知りたくて、もっと見ていたくなる。
社長に会いたくて、毎朝服装もメイクも意識するようになったら、気持ちの止め方が見えなくなってしまった。
いつも鏡に映るのは、葛城社長に恋をしている顔で……。