溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


 社長の気持ちが知りたいのに、聞く勇気もないまま時間が過ぎていく。
 他のことは平気で聞けるのに、これだけはどうしても勇気が出ない。


 癒してほしいって抱きしめられたあの時間は、どんなに日が経っても鮮やかで、私の想いは際限なく強くなるばかりだ。

 社内にいてもなかなか顔を見ることはない。仕事で用がなければ、社長に会いに行くことはほぼ皆無だったし、椎茸のお世話も必要が無くなった。時々、社長がフロアに寄ったり、ランチで見かけたり……そんな少ない機会を探さなくては、見つめることさえ叶わない。

 
 会いに来てと言われたけど、鵜呑みにしていいのかな。
 前までの私は、またいつもの悪い癖と相手にもしなかったはずだったのに……。会いたくて話したくて、その瞳に映りたくて仕方がない。


 毎日を染める片想いが、苦しくて嬉しい。


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