溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「無意味だなんて思わないですよ。だって……」

「なに?」

 彼女には穏やかな顔を貫く。

 俺だって男だから、いやらしいコトを想像したりはするんだ。
 それが知られたら嫌われかねない。



 もし、彼女とつき合えていたら。

 今ごろは休みを一緒に過ごして、俺の部屋で愛し合っているかもしれない。


 昨日の夜、仕事を終えた彼女をつかまえて、社長室に連れ込んで――。




「嬉しかったんです。社長に好意を伝えていただいて、お断りはしましたけど……嬉しかったんです、私」


 テーブルに肘をつき、深く息をつく。

 なんでこんな時に、やんわりとした表情で打ち明けてくるんだよ。



 眉間にしわを寄せ、顎を上げれば、空が見えた。
 軽く両手を顔の前で組み、想いをぶちまけてしまいそうな口元を隠す。




「罪深いですね……塩対応の女性は」

 眼鏡越しに彼女を見れば、その瞳は思っていたよりずっと濡れて、震えて……。




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