呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

顔を真っ赤にして、放心したまま目が少しずつ潤んでいく。
「…………は、はい」

震える声で言葉を出す央。
それは結婚の返事?
名前を読んだ返事?

「央?」

「…………嬉しい」

嬉しい?
本当に?

「……雄大、ありがとう。嬉しい……」

はっきりとそう言って潤んだ瞳のまま俺を見上げて喜んでくれた。

「っ、」

「雄大、大好き」

泣き笑いの満面の笑みで抱き付かれた。
ぎゅうぎゅうと抱き締め返す。

あぁ、ヤバイ。
感動するだろこんなこと。

こんなに嬉しいなんて。
じわりと目尻が熱くなってしまう。

央を抱き締めたまま、少しだけ泣いた。
嬉しくて涙が出るなんて、初めてだった。






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