呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

「仕事?こんな時間まで?今からご飯?」

チラリとおでんに視線をうつして桜木さんが「これ食べるの?」って視線で物を言う。

「えっ?ははっ、何となくおにぎりだけじゃなーって思って見てたんですけど、知ってます?大根って1本100円くらいで買えるんです。1本ですよ?1本!
そう思うとこの一切れに100円って…とか悩んでて。でも、今から作る元気もなくて」


ため息混じりに頭を振ると盛大に吹き出す声が。


「ブッ、クククっ…、」


そんな吹き出さなくても。


「……あっ、すみません熱弁してましたね」

「いや?クククっ、おもしろいね三田村さん」

「えっ?そうですか?」

「で?どうするの?」

「あぁ、うーん悩むけど、買おうかな。温かいもの欲しいし」

「ハハッ、お仕事頑張ったご褒美に奢ってあげよう。すみません、おでんの大根2つと玉子、後厚揚げも」


そう言って手に持っていたホットコーヒーとおにぎりをレジに出した。


「えっ!?いや、買いますよ?大丈夫ですって!」


そんな!奢ってほしくて話した訳では!


「そんな、おでん買うだけで奢るなんて押し付けがましいな、俺」
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