呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「いやいやいやいや!」
「クククっ、今日は遅いからこれで我慢してね」
そう言って頭をポンポン軽く叩かれた。
うおぉぉぉぉ。
頭ポンポン!
これが!
うわっ、うわっ、クル!
これクルよ!
顔に熱が溜まるのが分かる。
はぁーきっと顔、赤いだろうな。
「すみません、じゃあ遠慮なく。ありがとうございます!」
「うん、」
私もレジを済ませ、店の外で向かい合って立ち止まる。
もうお別れか……。
もう少しお話したり一緒にいたかったな。
「あ……のさ、家近いんだっけ?送るよ」
「えっ?大丈夫ですよ!本当に近いんで!こんな時間なんですから早く帰らなきゃ!」
「『こんな時間』なんだから、ひとりで歩いちゃ駄目でしょ」
「でも、!」
「いやいや、いい大人が女の子一人帰すなんてまね出来ません。ほら、帰るよ」
「━━━━っ、あ、ありがとうございます。ほんっと近くて申し訳ないくらいですがおねがいします」
ひれ伏す勢いで頭を下げた。
でも、もう少し一緒に居られる。
話が出来る。
沸き上がる喜びが隠しきれずに満面の笑みで桜木さんを見た。
へへっ。えへへ。
ニタニタ気持ち悪いだろうけど、抑えきれないや。
「っ、ご機嫌?」
「はい!」
「そう。…………良かったね。何か良いことあった?」
「それはもう!」
それ以上突っ込まれても答えられないけれど、嬉しさは隠しきれない。
が、しかし。
我が家は本当に近いんです。
そんな会話をしているうちに着いてしまった我がお城。