呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

「あ、あの!このまま桜木さんがお持ちください!」

「でもさ、そうしたら三田村さんおにぎりだけでしょ?倒れちゃうよ?」

「もともとそんなに食欲もなかったので大丈夫です!何となく、おにぎりだけじゃダメかな?とか思って考えた結果の大根だったし」

「じゃあなおさら、食べなきゃ。頑張って全部食べてよ」

「えっ?いやーさすがにこれ全部はキツイかなー」

「だからそんなに痩せてるんだよ。又倒れちゃうって」

「うっ、……」


おでんを巡った攻防戦になんだか笑いが込み上げてくる。
何やってるんだろう。


「「ふっ、あはははは」」


互いに顔を見合わせて笑う。
ふふっ。

ちょっとだけ、勇気をだそう。



「良かったら、上がりませんか?桜木さんもお夜食ですよね?おにぎりも買ってたし。一緒におでん食べませんか?
おでん冷めちゃうし」

「…………っ、それはさすがに、、」

「ふふふ。大丈夫です!何もしませんから。約束!」

「ぶっ、何?俺襲われちゃう?」


ククッ、と笑うその笑いかたが好き。


「大丈夫。襲いませんよ!おでんに誓って」

「食べてなくなるじゃん、おでん。それに誓うの?」

「そう。だから襲われる前に帰ってくださいね」


ふにゃりと目が細くなって、下がる目尻が好き。


「分かった、身の危険を感じる前に退散するから」

「ふふふ。では、どうぞ?」



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