呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「うおっ、マジか」
「ふふふ。普段はID交換ですか?」
「そう。へぇ、初めてした」
「又誰かとしてみてください」
目を丸くして嬉しそうな桜木さんが可愛い。
「いや、俺みたいなおじさんが携帯振ってたら怪しいだろ」
「おじさんって、そんな事言われたら私もおばさんになっちゃうんで止めてくださいよ」
「悪いっ、って三田村さん俺より年下だろ?まだ大丈夫だって」
「3つなんて体した差じゃないじゃないですか」
他愛ない話が心地よかった。
今日がお休みなら良かったのに。
「っ、と悪い。そろそろ行かなきゃ」
ほら、楽しかった時間はあっという間に終わってしまう。
だけど、これからはこんな時間をいっぱい一緒に過ごせるんだ。
このお店だけじゃなくて、
いっぱい。
一緒に。
そう夢見てた時はそれだけで幸せだった。
叶うことが無いなんて想像すらしていなかったんだ。