呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
突然聞こえた第3者の声に雄大も振り返る。
「君は?」
「央の友人です」
ケーキを食べていた手を休め、にっこりと笑うなっちゃん。
菜摘様の降臨だ。
その妖艶な笑顔を見ながら、
『うわっなっちゃんがキレてる!』なんて思えた私はなっちゃんのお陰で動揺していた事を忘れ正気にもどる。
落ち着いて。
落ち着くのよ。
隙を見て、呆気に取られている雄大の横をすり抜けて、カウンターの中へ入り込む。
「おいっ、ヒロ!」
知るもんか。
さすがに中には入ってこないであろう。
「央ちゃん、ブレンド出来たよ……ん?どうしたんだい?あれ?…………雄大くん?」
「お久しぶりです」
えっ?知り合いなの?
思わず目を丸くしてマスターを見てしまう。
「ヒロ、いいから私が取りに行く。そこにいて?」
はっ、そうだ。
コーヒーを運ばなきゃ。
「でも……」
「いいから」