本当の君を好きになる
「──へー!それはそれは大歓迎ですよ!」
そこへ響いた、場違いの能天気な声。
その声の主が彼だと気づき、安心している自分がいた。
湊くんは、清々しい顔をしながらこちらへ近づいてくる。
その後ろには、直登の姿もあった。
「き、桐谷くんっ……!?」
「幸坂くんっ……!」
「僕、こんな性格も顔も残念な人に好かれても全く嬉しくないから、本当大歓迎だよ!ありがとうね!」
そう言って、リーダーの女の前に立つ。
「でもさー、譲ってあげるってどういう事?まさか、自分が好かれてるとでも思ってたの?うわー!勝手に、そう思ってたんなら恥ずかしいねー!!」
大袈裟に話す湊くん。
その顔は、ひどくイキイキしている。
「ねえねえ、幸坂くんは私が狙うって言ってたけど、正直どうなの?幸坂。」
「……いや、こっちから願い下げだわ。」
その言葉に、女子生徒たちは顔を真っ赤にして走り去る。
よほど悔しかったのだろうか、声を発することなんて無かった。