完璧な彼は、溺愛ダーリン
「はあ、よかった。……ねえ、三石さんはこの後まだ時間ある?」
「この後ですか?」
「そう。もし早く帰らなきゃならないなら送るけど」
「……少しなら大丈夫です」
「ん。じゃあ、一軒付き合ってもらってもいいかな」
葛木さんはそう言うと、私の手を引っ張って歩き出した。
握られた手に視線を落とす。
葛木さんの大きな手が私の手を包み込んでいる。
さっき、この手に抱き締められていたんだ。私。
胸の痛みはいつの間にかおさまっていた。
その代わりにドキドキがさっきから止まらない。
あんなに酔っ払っていたのに、色々な感情が一気に訪れた所為で醒めてしまった。
苦しくて苦しくてどうしようもなかったのに。
彼の横顔を見ながら。ああ、私葛木さんの事好きになっていたんだって思った。