完璧な彼は、溺愛ダーリン
それから忙しいままに遅番が来る時間帯になった。
今日は栞が早番上がりだ。私は通し。
「栞、お疲れ様」
「あれ、加藤って今日六時?」
「うん、六時」
「そっかそっか。それじゃあ、先にあがるね。お疲れ様ー」
栞は貴重品などを手に持つと、笑顔で手を振った。
私も笑顔で見送る。
これから加藤君が来るまでは一人だ。
もちろん中に社員さんがいるから、何かあれば対応してもらえるけど。
エレベーターが開き、お客さんが降りて来る。
いつも通り挨拶をすると、その二人組はこちらへ近寄った。
片方は私服だけど、片方はスーツ姿。仕事帰りだろうか。
「あ、こんばんは。お姉さん」
「こんばんは」
ニコッとされて、私もつられてニコッと微笑む。
「見学したいんだけど……こいつが」
「こいつって言うな。野々村、最近俺の扱い酷くねえ?」
「そう? そんな事ないと思うけどなあ」
野々村と呼ばれた方が肩を竦め、おどける。一切反省なんてしてない様子で。
それにもう一人が大きな溜め息をついた。