完璧な彼は、溺愛ダーリン
本当に何で葛木さんは私の事が好きなんだろうか。
私から差し出せるモノなんて何もない気がする。
「はい、どうぞ」
コトンとソファの前にあるガラスのテーブルにマグカップが置かれた。
私の分と葛木さんの分。
「ありがとうございます」
それから私の隣に座ると、ぐいっと腰を自分の方へと引き寄せる。
息を呑む。急に触れた彼の体温に私は緊張が再び戻って来るのを感じた。
見つめ合い、絡み合う視線。
心臓の音がバクバク言っていて、彼に聞こえてしまうのではと思うほど。
ゆっくりと彼の顔が近付き、キスされると思った私はぎゅっと目を瞑る。
だけど、触れたのは唇でなく額だった。
コツンと額を合わせた葛木さん。
私は恐る恐る目を薄らと開けると、端正な彼の顔が目の前にあった。
ばちっと目が合うと、彼がゆるく微笑む。
「俺の家にいるなんて夢みたいだよ」
そう言いながら、腰にあった手をゆっくりと後頭部へと持っていく。
髪の毛を弄びながら、ふふっと微笑む葛木さんはどう見たって余裕たっぷりに見える。
こっちは羞恥でどうにかなってしまいそうなのに。