完璧な彼は、溺愛ダーリン

「……三石さん、大好きだよ。君の、この髪の毛も、唇も、瞳も、全てが愛しくて堪らない。
俺の愛情が重くて逃げ出さないかなとか、逃げ出されるぐらいなら閉じ込めておこうかなとか。
そんな事ばかり考えてる。おかしいよね。
でも……やっと掴まえたから離したくないんだ」


眉間に皺を寄せ、そう言った葛木さんはくしゃりと私の髪の毛を握り締めた。

そんな事を考えているなんて、思っていなくて愛しさと切なさできゅうっと胸が苦しくなる。
私と同じように彼も自分から離れていくんじゃないかなとか思うのかな。

だとしたら、どうしたら、どうすれば葛木さんにこの気持ちが伝わるんだろうか。


好きだって気持ちだけで伝わるのかな。
そんな言葉だけで伝わるのかな。


私も葛木さんから離れたくない。
すうっと息を吸い込むと、私はハッキリと彼に届く様に口を開く。


「大丈夫です、葛木さん」


葛木さんの背中に腕を回して、緩く微笑む。


「きっと葛木さんが不安に思っている様に私も不安に思っていますから」

「君が? どうして。そんな不安感じる事ないよ。こんなにも好きなのに」


本当に理解出来ないのか、訝しげな顔をする葛木さんは首を捻った。
きっとこの不安は葛木さんにはわからないのかもしれないな。
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