完璧な彼は、溺愛ダーリン

「あ、一人?」


封筒にチラシを入れていたら、そんな声がかかり私は顔を上げた。
スパダリ、葛木さんだ。


「はい、今シャンプー切れちゃったってお風呂まで見に行ってます」

「へえ、そんな事もするんだ」


スーツ姿ではない葛木さんだ。
お揃いのスポーツウェアを上下着ていて、それもしっかりとブランド品。
スニーカー履いているし。
革靴しか見たことない。


「あ、普段は私達がやらないんですけどね。受付は基本的に受付以外しないので」

「そっか、だからあまり三石さんとは中で会わないんだ」

「そ、そうです」


名前、覚えていてくれたの!? さりげなく呼ばれた自分の名前にドキッと心臓が跳ねた。


ワックスで後ろに流された黒髪。
それを耳にかけている。
高級時計の代わりに腕に嵌められたリストバンド。

凛々しく上がった眉に、ハッキリとした二重。
茶色に近い色をした瞳。
肌も綺麗で、こんなイケメンがいるのかと溜め息をつきたくなるぐらい。
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