強引部長の独占ジェラシー
部長は石原さんのパソコンの前に行き、途中で終わっている画面を見つめた。
「デザインの訂正案か、半分終わっていて元は出来てる。一度やったものを思い出して入力していけ。新しく取り掛かる方はだらだらと悩む時間を減らしてみろ。固定観念を捨ててぱっ、と見た時自分はどちらが良かったのかを考えていければ、時間通り終わらせられはずだ。
石原なら十分出来る技量だぞ」
「……そう、ですかね……」
石原さんの不安そうな声に部長は力強く頷く。
するとさっきより前向きな気持ちになったのか、ぱっ、と顔を明るくさせて言った。
「頑張ってみます!」
柔らかく、責めるように言うのではなく、諭すように言う。部長のそういうところがすごく好きだ。
「川島、」
「は、はい」
部長は私に視線を合わせて優しく言う。
「全部引き受けようとしなくていい。困っていたらフォローしてやってくれ」
「はい」
部長のたった一言が石原さんを変え、私の気持ちまで持ち上げようとしてくれる。つくづく完璧な人だと思う。
そしてすぐに仕事に取り掛かった石原さんは部長の言った通り、19時ちょっと前に取引先にデータを送り終えた。
「良かった……終わった〜川島さん、本当にありがとうございます!」
「いえいえ、私は何にも」
彼女が出来ないところをフォローしてあげただけだったし。
「そんなことないです。川島さんのおかげです。私……いっつも大事なところでミスしちゃうから出来ないんじゃないかってすぐ思っちゃって……でも良かった」