強引部長の独占ジェラシー
部長のそのたった一言で肩にのしかかっていた重さがふっ、と消えた。
やっぱり部長はすごいや。
こういうの、慣れてるんだろうな……。
それから身体をイスに預け、しばらく走ると、その車は路肩に寄せるように止まった。
「着いた。行くぞ」
部長の声を合図にして車から降りるとそこには、立派なビルがそびえ立っていた。
初めて来た。こんなに大きいビルだったんだ……。
部長はそのビルに戸惑いもなく入っていくと、受付けの女性に声をかけて対応してもらった。
私たちは、エレベーターで上にあがりオフィスの入り口まで案内してくれた女性にぺこりと頭を下げた。エレベーターを降りると、すぐ目の前にひとりの男性が立っている。
「おお、朝倉さん。」
「神田さん、いつもお世話になっております」
スラっと伸びた背に柔らかい笑顔を見せる男性。無駄な肉のついてない身体で部長に負けず、女性にモテそうな人だと思った。ふたりが話すはなしを聞いていると、どうやらこの人が大井出版の編集長のようだ。部長と同じか、それより若い気がする。
「後ろの方が川島さんで間違いないですか?」
「あ、はい。川島と申します。いつもお世話になっております」
私は慌てて挨拶をして頭を下げる。緊張している私にも、お会いしたかったです、なんてふんわりとした表情で笑いかけてくれるから少し緊張が和らいだ。