強引部長の独占ジェラシー


「えっ、」

「自分の今までの結果が返って来たんだからな」


「……っ!」


なんでこんな言葉が言えるのだろう。きっと年の差や経験の差だけではない、部長の本質がそうさせているのだろうと思う。私が部長と同じ歳で、同じ立場だったとして、今の言葉が言えるとは到底思えない。


つくづく思う。私はいつまでもこの人の背中を見ていきたいと。


おしぼりで手を拭く部長をぼうっと眺めていると、本当に部長と食事をしに来てるんだなあ、となんだか感心してしまう。会社の女性陣はいかにして部長をご飯に誘えるか、なんて話し合っていたくらいだし見つかったら大変なことになりそうだなぁ……。

そんなことを考えていると、部長は言った。


「そういえばお前は昼間、弁当を持参していたな。実家暮らしか?」

「いえ、一人です。料理するのはけっこう好きで朝作ってるんですよ」

「へぇ、大したものだな」


関心する部長に自分を皮肉るように言う。


「そうは言っても作ってあげるような相手はいないですけどね……」


私の言葉に部長は不思議そうな顔をして聞いて来た。


「ふぅん、相手いないのか?」

「いるように見えます?」

「それは見えないと言って欲しいのか?」

「見えると言って欲しいです」


「見えない」


ぴしゃりと放たれた言葉に私はむっと部長を見る?すると彼はくつくつと笑っていた。


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