強引部長の独占ジェラシー
前までは憧れることすら失礼だ、なんて思っていたけど少し自信がついた今、憧れるだけならただだ。なんて開き直る程度には自信が持てた。
自分に無いものを探して嘆くより、無いものを見て憧れる方がずっといい。
私は自分のディスクに移動すると、いつもよりワクワクしながらパソコンの電源をつけた。
昨日、途中で終ってしまったデザイン案のデータを開く。昨日とまるで同じ作業であるのに、昨日とは違った新しい気持ちで取り組むことが出来るのが新鮮で心地良かった。
そして昼休みになる頃ーー。
無事今行っている作業を終えると、何時ものようにお弁当を持ち、私はまたテラスに向かった。
今日はお茶も水筒に入れて来たため、飲み物を買う必要はないけれど、もしかしたら部長がいるかもしれないという気持ちを抱えて、テラスに行く途中の自販機ブースを覗き込む。
すると、想像した通りそこに部長の姿はあった。
やっぱりいた……。
どうやら部長はここで缶コーヒーを飲むのが習慣らしい。
胸が僅かに音を立てる。
不思議だ……。
心というのは好きなんだと、意識したとたんにその気持ちを肥大化していく。じわり、じわりと私の心を侵蝕して心拍数をあげていく。