強引部長の独占ジェラシー


そんな気持ちを抱えたまま、向かったのが今のうちの会社の企業説明会だ。人が多い中、私は後ろの方でちょこんと立ち人混みに埋れていた。

企業説明会を何気無く聞いて、今度はそこで実際に働いている人の話を聞く。それぞれの部署から来てくれた人が仕事内容や、やりがいなどを話してくれる中、最後に向井と名乗った人の言葉が私の心を動かした。


『あなた方はそれぞれに個性があります、そして能力もあります。

社会に出ていくうえで、必要とされる人間になりたいとここに入ってくる人がいますが、必要とされない人間なんていないのです。なので、自分の力を、使ってもらいたいという気持ちがある人だけ来て下さい』


会社が私たちを選ぶのではなくて、自分がこの会社に必要だと思った人だけ来るなんて。


相当な自信がないと言えない言葉。
だけどその言葉はネガティブに物事を捉えがちの私にも勇気をくれるものだった。


必要とされない人間なんていない。
自分の力を使ってもらいたい……。


どこでもいい。

そんなんじゃ、例え入れたとしてもきっと辞めたくなってしまう。自分の力を使いたい、使ってもらいたいと思うからこそ働きたいと思えるのに。


その言葉を聞いてから、私の意識は変わった。

その日からは、絶対にこの会社に入ってやるって必死に調べて勉強した。そうすれば、不思議と志望理由とやりたいことはスラスラ出て来て、自信を持って話すことも出来た。

そして、なんとか内定をもらい今がある。



< 54 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop