守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~
「……相変わらずだな、花蓮」

「っ……」


呆れたような、でも優しい声。
昔から私だけに見せてくれていた穏やかな眼差しが向けられる。
それだけで泣きたくなる衝動が抑えられない。

男の拳を掴みながら反対の手で私の体を引き寄せる男性。
それは、私が忘れたくても忘れられない人だった。


「何とか言えよ花蓮。俺はずっとお前を探していたんだ」

「た……拓海せんぱいっ……」


やっと出た声は震えた物だった。
そんな私を愛おしそうに見つめると抱きしめる手に力を入れた。


「もう……離さない」


場違いとも言える甘い空気。
愛されていると勘違いしてしまいそうな、ふわふわとした状況を受け入れようとする自分が怖かった。
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