First Love〜ベランダ越しの恋〜

おい……



おいっ。



「おい！羽美！起きろ！」


「ん……ゆう…と？」


私、いつの間にかベランダで寝ちゃったんだ。


「お前こんなところで何してんだよ。風邪引くぞ。てか、ベランダ超えてきたのか？」


「うん…。優人、今帰ってきたの？」


「うん。取り合えず中入れ。」


優人に引っ張られて部屋に入った。少し中が変わってる。そっか……優人の部屋には小学校以来入ってなかった。


羽美は危ないからベランダ超えたらダメって言われて、それから優人が私の部屋に来るだけになった。


「お前なんであんなところで寝てたんだよ。」


「……。」


「……まぁいいわ。今度来る時は玄関から来いよ。マジで危ないから。」

優人は優しい。優しいから私には毒なんだ。里奈…ごめんね？
こんな優柔不断でごめんね？


「お前……泣いてんのか？」


「…泣いてない。私、帰るね。」


部屋を出ようとドアを開けた時、後ろからドアを閉められてしまった。




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