悠久のシャングリラ


『貴方、
あたしの名前がなんだか知らないでしょう』

『? 知ってるよ!
明智 瑠璃ちゃんだよね!』


屈託ない笑顔でそう告げられ、
面食らってしまったことを思い出す。


『……あたしが【明智】だって……
本当にわかってるの? あの明智よ?』

『うん。 だから知ってるよ!
歴史に残る【明智】でしょ?』

『知ってるなら、どうして……』

『んー、よくわからないけど……
私は【瑠璃】って子と友達になりたい
と思ったから……かな!』

『………』



【明智】ではなく【瑠璃】として。



そう言ってくれたのはこの子だけで、
なんと表していいのか……感情が溢れて
幼いあたしは泣いてしまった。

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