悠久のシャングリラ


「……咲夢梨が最後に言ったんだ」

「え……?」


突然の会話の切り返しに、
戸惑いながらも先を目で訴えた。


「『解放の先に、祝福あれ』……ってさ」

「……それって……」


隼人も瑠璃も馬鹿じゃない。



ーー何から【解放】されて、
誰から【祝福】を受けるのか。



それが分からない彼らではなかった。


言葉なく、二人は空を見上げる。


刻の果てでまた逢えることを願ってーー。

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