春風駘蕩
「ほんと、面倒な女だよな。俺は俺だろ? チケットくらい素直に受け取れよ」
「ん。そういう機会もあるかもしれないけど……」
これからも、そんな機会はない方がいいかな、と思いつつ俯くと。
「で?どうして今日に限って内川さんに手配してもらったんだ?」
「えっと……それは」
巽の問いに、私は口ごもった。
今日会えたら絶対に言おうと思っていたけど、いざ問い詰められると言いづらい。
巽が私の決断に反対することはないだろうけど、勝手に決めたことをどう思うのか、不安だ。
「由梨香?」
巽は私の体を持ち上げ、向かい合わせにおろす。
そして、顔を近づけると、歪めたままの唇で私の唇をふさいだ。
「理由を言うまでキスし続けるぞ」
吐息交じりの声があまりにも色っぽくて、それもいいな、黙っていようかなと思わずちらり。
すると、そんな私の想いを察したのか、巽は「キスだけじゃないからな」と低い声で迫ってきた。
それだけでなく、フレアスカートをめくり、足をじりじりと指でなぞり始めた。