千日紅の咲く庭で
「家の前で何やってんだよ、花梨!!!」

私が目を強く瞑ったタイミングと同時に、呆れたような声を出しながら、玄関の扉を開けたのは、洗いざらしの髪にジャージ姿の岳だった。


東谷くんは慌てて私から距離を取り、豆鉄砲くらったような顔をしている。

信じられないものでも見るようにして、私と岳の顔を何度も見ている。


「彼氏かよ？」
「彼氏さんですか？」

岳と東谷くん、お互いがお互いを指さし、私に尋ねた。



「こちらは東谷くん、私の会社の後輩。こちらは郷原岳。私の幼馴染み」

私は、どちらにも伝わるように大きく首を横に振る。
そして東谷くんと岳の両方にお互いを紹介すると、東谷君は小さく岳に向かって会釈をした。

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