千日紅の咲く庭で
岳は、息を切らしながらすぐに来てくれた。

部屋着とも思える少しゆとりのあるTシャツと、細めのジーンズ姿。きっと岳だってさっきまで寝ていたのだろう、起き抜けとも思える髪型は、右側の後ろに小さな寝癖ができていた。


きっと昨夜は自分のマンションに帰っていたのだろう。

いつも岳の車は郷原家の駐車場に停めて、私の家に歩いてやってくるのに、今日は私の家の前に駐車して、家に飛び込んできた。


縁側にへたり込んで泣いてた私を見つけた岳は、ためらうことなくことなく抱きしめた。

岳に抱きしめられた私は、岳の体温と、岳のにおいに一気に包まれた。


岳に抱きしめられると一気に安心感が湧いてきた。

もう涙でぐちゃぐちゃなのに私は大声をあげて泣きだした。

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