千日紅の咲く庭で
嗚咽を漏らしながら、しゃくりあげて、まるで子供のように泣く私を、落ち着かせるように岳は私の背中をさすり続ける。

少しだけ落ち着いたころに岳は、静かに探るような声色でどうしたのかを私に尋ねてきた。

まだまだ言葉を発する余裕のない私は静かに庭を指さした。

私の指の先を確認した岳は、私の泣いている理由をすぐさま理解したようだ。



「結構、水やりしたり、草取りしたりしてたんだけどな。この炎天下には初心者じゃ太刀打ちできなかったみたいだな。ごめんな、花梨」

岳は私を強く抱きしめて耳元で確かにそう言った。
岳の口調は優しくて、柔らかだった。

「智子おばさん、やっぱりすげえな」

岳がわざとらしく、ふざけるようにして明るく言い放った言葉が静かな縁側に響き渡った。

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