千日紅の咲く庭で
バルを後にした私たちは、岳の案内で親友がしているというバーへ向かった。

さっきのバルから徒歩5分圏内。気持ちよく酔って歩いていける距離。
きっと岳は、このバーを中心にして飲んでいるんだろうなと、察しがついた。

オープンから間もない早めの時間だからか、日曜だからか、私と岳以外にお客とみられる人はいない。

初めて会う岳の親友――マスターは、岳に負けないほどの長身で、顎に髭を蓄えたいかつい風貌なのに笑うと両頬に出来るえくぼに、なんだか愛着が湧いてくる。

岳とマスターは大学で一緒にサッカーをやっていたって紹介してもらった。


車で来たからとウーロン茶を飲みながら、マスターと話をしている横顔を時々こっそり盗み見ながら、差し出されたレッドアイを一口飲んだ。

カウンターで飲む、といってもウーロン茶だけども。それでもそんな岳の姿を見ることは初めてで色気がダダ漏れ状態の岳は私の胸を無意識に高鳴らせた。


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