千日紅の咲く庭で
どうしてこうなってしまったのだろう。

私はテーブルに頭をもたげて、視線と同じ高さになったビールの入ったグラスをぼんやりと眺める。


ウサギリンゴを食べて、諒くんと遊んでいたら岳のお兄ちゃんが帰ってきて、第２ラウンドが始まって。

気分が良くなったおじさんがお店の方から、新商品のワインを持ってきてくれて。
またそれがおいしくて。


最後にビールを一杯だけって思っていたら、急に酔いが回ってきてしまって、今に至る。



ビールの泡を眺めながら、重たい頭を持ち上げる元気はないけれど、気分だけは良い。

「あぁ、私も早く素敵な結婚相手を探さなきゃ…」

ポツリと漏らした何気ない一言に、聞こえてしまったらしい美知おばさんが笑っているのが聞こえてきた。

「うちにこうして遊びに来ても、許してくれる旦那様を探しなさい。それにしても飲みすぎよ、花梨ちゃん。」

呆れた声をあげながら泡を眺めていたビールのグラスを目の前から撤去されてしまう。


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