千日紅の咲く庭で
「あぁ、なんとなく…」

ぼそっと呟いた私の一言にやっぱり岳は大きなため息をつく。


「相変わらずだな、バカ花梨。お前、その意味分かってんの?」
「バ、バカってなによ」



言い返した私の言葉なんて、まるで無視するかのように岳はお風呂に入るためにシャツのボタンを1つ、2つと外す。


岳の胸元がはだけたワイシャツの隙間から垣間見える。
岳の細い体つきには似つかない、よく引き締まった胸板が視界に入ってきて、私は慌てて視線を逸らした。



「今夜、俺はここに泊まるってこと。」

「えっ?!」


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