千日紅の咲く庭で
つっけんどんな口調で私の質問に答えてくれる岳の言葉に私は涙が溢れだす。


「一人、部屋でドライフラワー作る独身男とか引くだろ?普通…」
最大級の照れ隠しの言葉を岳が言い終わる前に、私は岳に抱き着いて岳にキスをした。


岳は、やっぱりずるいよ。
いつも意地悪なことばかり言うくせに、こんな優しさを見せるなんて反則だよ。



岳は私の不意打ちのキスに一瞬、目を見開いて驚いたけれど、すぐに微笑んで私の唇に優しいキスを降らせた。


「あっ、そういえば私も渡したいものがあるんだった」

どちらともなく唇を離した私たち。


私はふと思い出して、ずっと渡すタイミングを逃してしまっていたものをポケットの中から出した。

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