千日紅の咲く庭で
さすが徒歩3分。

歩道橋を渡るとあっという間に我が家へ辿り着いてしまった。


岳が作ってくれた大切なドライフラワーをリビングに飾る。
お母さんが大事に育てた千日紅を、岳がドライフラワーにしてくれた。


2人の気持ちのこもったドライフラワーはきっとこれからも私の大切な宝物に間違いはない。


私がリビングに飾る間、岳はお母さんの遺影に手を合わせ終わると、おもむろに庭に出た。


そういえば、岳はあの日――庭の草花が枯れてしまった日から時折、こうやって庭先に出て、次に何を植えようかと悩んでいる。

この間は、大量にプランターや植木鉢を買ってきて私といつものように口喧嘩になってしまったんだっけ。


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