千日紅の咲く庭で
「今日、コインランドリーで小雪ちゃんに会ったの」

「小雪?あぁ、そう」

元カノの小雪ちゃんですよ?
私は岳に小雪ちゃんの名前を出したら、驚いて固まってしまうんじゃないかだとか、言い訳でもするんじゃないかって思っていたというのに、岳の反応は私が拍子抜けするほどにあっさりとしたものだった。


「岳が夢を全部叶えたから凄いねって褒めてた」

「あいつ、小雪。昔から余計なこと言うんだよな」

小さく舌打ちしながら呟いた岳の言葉に、胸の奥はやっぱり痛みを覚えてしまう。


「ねぇ。岳の夢って何?」

少し恥ずかしそうな顔をした岳は明らかに視線を泳がせる。

「花梨には教えない」


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