千日紅の咲く庭で
ピンポーン。

「花梨!!帰るぞ」

呑気なインターホンの音にお姉さんが返事をするよりも早く玄関から岳の声とバタバタとした足音が聞こえてくる。


お母さんの顔をちらりと盗み見ると笑っていたから、私の知らないところで岳に連絡したのだろうなという察しがついた。


絶対、怒られる。

そう思うと、岳の近づいてくる私は無意識に肩を竦めていた。

それなのに。

リビングに顔を出した岳は、私の顔を見るなり安心したように床に座り込んだ。


「よかったぁ」

岳の心から安心したような声に私は驚いて声もあげることができない。

「愛されてるわね」
楽しそうに耳元で囁いたのはお姉さんで、私は顔が一気に熱を帯びたのが分かった。

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