千日紅の咲く庭で
「ありがとうね。岳」
顔を見られないようにするためか、岳はすぐに視線を反らし、私に背中を向けてしまった。
私はその岳の、昔の面影なんてない大人になった岳の背中に素直に感謝を伝える。
今日だけ。
今日だけは、しっかりと岳に聞こえるように素直に言えた。
小さい頃と同じように29歳になった今でも口げんかしてしまう私と岳だけど、こうやって素直に感謝出来るようになったのはちょっとだけお互いに大人になった証拠なのかもしれない。
「花梨、存分に感謝しろよな」
背中を向けたままの岳の言葉はきっと照れ隠し。
顔を見られないようにするためか、岳はすぐに視線を反らし、私に背中を向けてしまった。
私はその岳の、昔の面影なんてない大人になった岳の背中に素直に感謝を伝える。
今日だけ。
今日だけは、しっかりと岳に聞こえるように素直に言えた。
小さい頃と同じように29歳になった今でも口げんかしてしまう私と岳だけど、こうやって素直に感謝出来るようになったのはちょっとだけお互いに大人になった証拠なのかもしれない。
「花梨、存分に感謝しろよな」
背中を向けたままの岳の言葉はきっと照れ隠し。