千日紅の咲く庭で
「感謝しても、しきれないよ」

岳の背中にもう一度、素直な気持ちを伝えた。


「ばっ…、調子狂うだろ、馬鹿花梨」


「バカってなによ!!!」
「バカじゃん。俺の気持ち、全然分かってないだろ」

「岳の気持ちなんて、分かりたくもない」

「花梨、お前昔から俺の気持ちなんて考えたことないだろ?」


「岳だって、毎回私のことバカ呼ばわりして、私の気持ちなんて考えたことないでしょ!!私だってバカなりに色々考えているんだからね!!」

「色々ってなんだよ」


「岳にだけは教えない」



結局、素直になってもいつもの調子。

やっぱり2人でいると、何年たっても、何年ぶりに会っても、小さい頃の2人のままなのかもしれない。



そんな岳と私の2人の様子を、お母さんの遺影が優しく見つめてくれているような気がした。


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