千日紅の咲く庭で
「はい、御勤めご苦労様でした」

法事に参列してくれた人たちのお見送りを済ませ、家に帰ると一緒についてきてくれた美知おばさんが、すぐに温かい日本茶を淹れてくれた。


美知おばさんも、もう我が家のキッチンのどこに何があるのか知っている。

「ごめんね、美知おばさん。本当は私が美知おばさんや岳にお茶出さないといけないのに」

「そんなこと、花梨ちゃんは気にしないの。いつまで経っても花梨ちゃんは私の娘みたいなものなんだから。」


「うん、ありがと」


私の言葉に美知おばさんが目を細めて柔らかな笑顔を浮かべる。

その笑顔は、数日前にみた岳の笑顔とやっぱりそっくりで、なんだかちょっと照れくさくなった私は、目の前の日本茶を口にした。

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