千日紅の咲く庭で
「体調はもう大丈夫か?」

岳の楽しそうな横顔に見惚れていると、岳にふいに話しかけられた。

「う、うん。もう大丈夫!!」


急に話かけられて動揺した私は、それを隠すように何事もなかったように返事をした。
元気アピールにと両腕を直角に曲げて、元気な様子までアピールしてみた。


けれど、戸惑いを隠しきれなかった私は、足元の段差に躓いてしまった。



「きゃっ」
幸い今日はヒールの低いパンプスだったから転ぶことはなかった。

少し小さな声が出てしまったけれど躓いただけで、すぐにバランスを取り戻した。

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