千日紅の咲く庭で
「スイカ、食べようぜ」
「さっき食べたじゃん。」

岳がキッチンから声を掛けてきたけれど、1時間ほど前に岳の家で夕食のデザートにとスイカは食べたばっかりだ。

この数日間の中で今日はかなり食べたので、お腹だってもうパンパンしている。



「スイカ切ったから、食べようぜ」

「私、さっき断ったじゃん」
私がTシャツにショートパンツといった部屋着に着替えている間に、岳はどうやら我慢できずにスイカをカットしたらしい。

「嫌なら俺が全部食う」
岳は真っ白な歯を見せて笑いながら、大きめにカットした2人分のスイカを私に見せびらかすようにした。

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