お姫様とお嬢様
後ろから愛芽に近付いてそっと腕を回して抱きしめた。



「愛芽に会いたかった。」

「舜っ!?何してんのあんた!!」

「あ、取り込み中?俺七瀬舜太。君は?」



抱きしめた腕を無理矢理離そうとする愛芽…。



意地でも離さねぇ!!



「お前愛芽の何…。」

「愛芽の彼氏?」

「彼っ…。は?」

「お前が吉岡?愛芽にキスしてくれちゃったみたいで。」

「合意の上。」

「へぇ~…。じゃあ何で乃彩チャンがキレたのかな~?」



その時俺の肩にかかる手に気がついた。



振り向けば懐かしい友人。



「やめとけ舜。」

「楓(カエデ)!!」

「相手になんねぇだろ。」

「会いたかった楓!!あ、これ俺の彼女。愛芽、俺の幼なじみの楓!!」



楓を見ると皆固まる。



そりゃそうだ。



将来有望な若頭だから。



誰も楓には近寄りたがらない。



イイ奴なのにな…。



「おい、何赤くなってんだよ楓。」

「だって…ファンだし…。」



はぁ!?



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