お姫様とお嬢様
やっぱり乃彩は何でもキマるんだ…。



今までした事ナイようなメイクも乃彩だと抵抗なくキマる。



「また腕上げたね…。」

「そう?一応空いてる時間とかに他のメイクさんに勉強させてもらってますから。」

「偉い…。」

「はい、完成。」



鏡を見てニィ~っと笑う乃彩に俺の顔も緩む。



やっぱり癒される…。



嬉しい気分のままキッチンに立って紅茶をいれた。



「ナツ…。」

「ん?」

「くっつきたくなっただけ…。」



後ろから俺の腹に腕を回して来る乃彩…。



ヤバイなこれ…。



「最近何かあった?」

「ないよ…。ねぇ、ギュッてして?」



ヤバッ…。



乃彩が甘い…。



振り返って抱きしめると俺の服をギュッと握って胸に顔を埋めて来た。



寂しかったのか?



「あっ、この指どうした?」

「ご飯作ってて切っただけだよ…。」

「ドジ。」

「うるさい…。」



この時に乃彩が嫌がらせされてるなんて全く気づかなかった…。



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