マザー症候群

 どくどくどく。

 血は溶岩のように流れ出す。
 一瞬、時が停止する。
 美波の頭が真っ白に。
 「誰か救急車。救急車を・・・」
 美波が気を取り直して大声で叫んだ。
 それを聞きつけた通行人が、スマホから119番へ通報。
 美波は両手で、凛の左手を思い切り握り締めた。
 強く,強く、力の限り強く。
 止血をする為の咄嗟の判断。こうするしか、美波には思い付かなかった。
 気の遠くなるような不安な時。
 止血が功を奏したのか、血の流出が少し治まり始めた。
 「どうしたんだ」
 「命は大丈夫」  
 金髪の女の子が血まみれで倒れている。それを見て、ビルの住人や通行人が彼女を囲むように集まり始めた。


 
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