マザー症候群
救急車が停止すると。
救急隊員たちは、迅速に凛を病院の処置室に運んで行った。
美波も小走りで救急隊員の後を追い、処置室近くの椅子に腰を掛けた。
今だ。
美波はバッグの中に手を入れた。中を捜し回すが。
無い。愛しの君は姿が見えない。
(あっ、そうだ。紅茶ボトルの中の琥珀色の液体は、今日は用意していなかった。迂闊にも・・・)
美波、家での光景を漸く思い出す。
「新しい君を買い求めなくちゃ」
美波が急いで病院の玄関口を出た。
「コンビニか酒屋は?」
病院は国道沿いにある。
左に行くか。右に行くか。
美波は国道沿いを左に走った。
幸い、5分程走るとコンビニがあった。